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ドラゴンボールはフリーザ編で終わるべきだった [エンタメ]

『ドラゴンボール』といえば、連載開始から30年あまりで国内のコミック歴代発行部数ランキング第3位。
国内にとどまらず、30ヶ国で翻訳され、全世界累計では2億3000万部という数字を誇る
世界中の幅広い年代から愛される一大コンテンツです。

17年ぶりに制作された劇場版シリーズも記録的な大ヒットを飛ばしました。

『ドラゴンボール』の初代担当編集・鳥嶋和彦氏が衝撃的な発言を先日放映された
『漫道コバヤシ ドラゴンボールZ 復活の「F」公開記念スペシャル』(フジテレビ系)で
語りました。

鳥嶋氏といえば鳥山明のデビュー作『Dr.スランプ』に登場する敵役、Dr.マシリトのモデル
であるのはあまりに有名な話です。

現在では専務取締役にまで出世し、雑誌事業全般の総責任者として、名実ともに集英社の
顔となった鳥嶋氏。

その氏が語った内容は「長きにわたる悟空の闘いはフリーザまでで終わっておくべきだった。」
というもの…制作当時にどんな秘話があったのか、赤裸々に披露しました。



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たとえば、ピッコロ大魔王、フリーザ、魔人ブウといった悪役の見た目は連載当時の担当編集者がモデル。
悪役をつくるのが苦手な鳥山にとって「イヤなやつ」の代表は歴代編集者だったのですね。

しかも、フリーザのキャラ設定は当時社会問題になっていた「地上げ屋」をモチーフにしたもので、
なお、形態が変化しパワーアップするのはゲーム『ドラゴンクエスト』のラスボスの影響だったらしいです。

また『ドラゴンボール』といえば、テレビアニメのタイトルに途中から「Z」がついていましたが、
これは単なる思いつきのリニューアルではないようです。

理由は、“タイトルを変更して新番組という体裁にすると宣伝費が豊富に使えるから”
という大人の事情からだったらしいです。
ちなみに「Z」というのは鳥山自身の提案で、「この次はない」という意味だったといいます。

このように番組では、非常に興味深い話が鳥嶋氏の口から語られましたがしかし、
『ドラゴンボール』ファンにとって最も衝撃的なのは、やはり冒頭で少し触れた“引き伸ばし問題”
のくだりですよね。

どんどん『ドラゴンボール』はすごくなり、国民的アニメ、国民的マンガになっていって、
鳥嶋氏は「うーん……どこでやめればいいのかなー(ということ)……」と感じていたとか。

そして鳥嶋氏は「やっぱりフリーザ編で締めておくべきだったでしょうね」と続けた。

そう、ドラゴンボールの初代担当編集が直々に“引き伸ばし”を認めたのです。
しかも、フリーザ編終了後の展開で悪役となるのはドクターゲロや人造人間18号ですが、
それを見た鳥嶋氏は「ジジイとか女と闘うくらいだったら、もうやめたほうがいい」とまで思ったそうです。

そもそも鳥山の側も、先述のアニメタイトル変更の逸話からわかるとおり、人気絶頂のさなかにあって、
ずっと『ドラゴンボール』を終了させたいと思っていたようです。

しかし、人気が出れば出るほど、巻き込む人もカネも大きくなり、やめることはますます難しくなる。
そこで、新たな悪役として人造人間セルを追加し、連載は続けられたとのことです。

単行本ではフリーザ編は21巻から28巻まで。
つまり全42巻のうち、14巻分はある意味蛇足で書き継がれたのだといえます。



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今となってはセルやブウの登場しない『ドラゴンボール』は想像できませんが、
ファンからもよく批判される「戦闘力のインフレ」や「ボール探求という目的の形骸化」、
「死の意味の希薄化」といった傾向が著しくなったのは、その間の出来事です。

その頃、すでに鳥山の担当を離れ、別雑誌の編集部に所属していた鳥嶋氏ですが、
「一番苦しい時期に助けてあげられなかった」と忸怩たる思いをつぶやき、続けてこう語りました。

「これは、“たられば”で言うんだけど、フリーザ編でやめてたら3つめのヒット作が書けたんじゃないかな」

たしかに『ドラゴンボール』以来、鳥山明は代表作といえるマンガ作品を書いていません。

「あるところから書かせてはいけないところがあるんですね。作家さんには。
(鳥山明は書かせてはいけないラインを超えて)真っ白になっちゃったんですね」

このように、鳥嶋氏は分析してます。一発当てれば巨万の富が築けるマンガ家稼業。
もちろん鳥山明はバクチの大成功者であるが、その代償も大きかった、ということなのでしょうか。

もっとも、ここに“金儲けに目がくらんだ出版社”と“潰された天才クリエイター”といった図式を見るのはたやすい
ですが、しかしその背景には「売れているモノ」ばかりを支持する読者の存在も大きいと思われます。

今年公開された劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 復活の「F」』は、前作『ドラゴンボールZ 神と神』の
予想外の大ヒットを受けて制作されたのだといいます。

フリーザの復活を描くこの作品の原作・脚本に、かつて「この次はない」の意味を込めて「Z」をつけた
鳥山明その人が参加し、前作を上回る興行収入を記録したのは、なんとも皮肉なことですね。

今回も「フリーザで終わり」にはならず、ドラゴンボールのTV新シリーズが7月より放送決定
しています。

こうなったら、行くとこまで行くという感じですかね。





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